クッパキャッスル 前編

前編:マリオシリーズにおけるクッパキャッスル

 

  まず、"クッパキャッスル(以下 クッパ城)"とは名前の通り"クッパ様のお城"である。しかしながら、"お城"という響きから一般的に想起されるメルヘンorロイヤルなものはクッパ城を見渡す限りほとんど無い。マリオカートでいえば、動くクッパ像くらいであろう。

   何故か?それはマリオ達に対する敵意の象徴として造り上げた"お城"であるからだと推測する。手始めに、クッパ城とは対照的なピーチ城について紹介したい。

  "ピーチ城"とは言わずと知れたマリオシリーズにおいて度々登場するマリオ軍団たちのお城であり、皆の憩いの場として存在している。またキノコ王国においてピーチ姫への信頼は厚く、武力を行使しなくとも問題なく統治することができるため、必要最低限の武力しか備わっていない。仮に危機が訪れてもマリオブラザーズ(以下 マリオ達)に頼めば万事解決であるからだ。よって、ピーチ城がクッパに対しての防壁を備えていないことから、マリオ軍団はクッパ軍団に対して日常的に敵意を抱いていないことが読み取れる。

  さて、クッパ城に話を戻そう。マリオ軍団に相手にされないかわいいクッパは、世界を我が物にする野望を果たすためになんとしてもキノコ王国を征服したい。といっても、それはマリオ達を倒すことと同義である。そこで、ピーチ姫をさらうことでマリオ達を刺激し(かわいい)、ピーチ城やクッパ城に立て籠もり(かわいい)、健気に最奥で待ち構えているのである(やはりかわいい)。したがって、ピーチ城にはない迎撃ギミックを大量に備えたクッパ城は以上のようにして造り上げられたのではなかろうか。(ちなみに、ピーチ城に立て籠もる時はカメックの魔法で武装化している。)それに加えて、最初からマリオ達を襲わず、城の最奥で待つという行為から、滅多に自分の城に来てくれないマリオ達に自慢のギミックの数々を披露したいというクッパのお茶目な面も読み取れる。ああ、クッパかわいい。

 

後編:MK8DXにおけるクッパキャッスル